セラミック歯のメリット・デメリットは?保険の歯との違いは?
「銀歯は見た目が気になるし、金属アレルギーも心配…」
「詰め物・被せ物は白くて自然な見た目の材料を使いたい…」
そんな時に有用なのが「セラミック」です。
セラミックは、白くて美しく、金属アレルギーのリスクもないため、審美治療の代名詞ともなっています。
しかしながら、保険診療でも白い歯は入れられるし、セラミックにもデメリットがあるのではないかと不安に感じている方もいらっしゃることでしょう。
ここではセラミック歯と保険のレジン歯との違いやメリット・デメリット、治療の流れなどを詳しく解説します。
目次
① セラミック歯とは?保険との違いは?

セラミック歯とは、いわゆる陶器で作られた人工歯です。皆さんの身の回りにもお皿やマグカップ、洗面台など、セラミックで作られた製品は無数に存在しています。
そのためセラミックの材質というのは、何となくイメージできるのではないでしょうか。白くて光沢があり、傷が付きにくい。
この特徴は、人工歯の材料にうってつけと言っても過言ではありません。
1. 保険の白い歯との違いは?
保険診療でも「レジン」という白い素材を使用できます。一見するとセラミックと変わりがないように見えるかもしれませんが、実際はさまざまな点で異なります。
○見た目の違い
歯科用プラスチックであるレジンは、白色材料ではあるものの、色調のバリエーションが比較的乏しいです。
また、天然歯特有の光沢や透明感を再現するのは難しく、経年的な変色・摩耗も起こりやすいことから、残った歯との調和が難しいのが現実です。
一方、セラミックは天然歯の色調・質感・透明感・光沢を忠実に再現できます。
○寿命の違い
レジンで作った人工歯は、2~3年程度で寿命を迎えると言われていますが、セラミックは少なくとも10~15年、治療後のケアやメインテナンスをしっかり行えば、20年以上使い続けることも難しくはないのです。
○虫歯の再発リスクの違い
歯科用プラスチックは、歯の形にぴったりと適合させることが難しく、細菌の侵入が起こりやすくなっています。素材の経年的な劣化も虫歯の再発リスクを高める要因のひとつです。
その点、歯を削ったあとの形にぴったりと適合させやすいセラミックは、保険の歯よりも虫歯の再発リスクが低くなっています。
② セラミック歯のメリットとデメリット

セラミック歯を保険のレジン歯や銀歯と比較した場合、以下に挙げるメリット・デメリットを伴います。
1. セラミック歯のメリット
- 見た目が自然で美しい
- 金属アレルギーのリスクがない
- 寿命が長く、再治療の必要性が低い
- 二次虫歯の発症リスクが低い
- 白さが長持ちしやすい
- 人工歯の表面に汚れが付着しにくい
- 摩耗や欠けが起こりにくい
- 歯ぐきが黒ずむ心配がない
2. セラミック歯のデメリット
- 歯ぎしりや外傷で割れることがある
- 保険適用外なので費用がやや高くなる
- 歯を多めに削ることがある
- 神経を抜く治療が必要になる場合がある
このように、セラミック歯には保険のレジン歯や銀歯にはないたくさんのメリットが得られると同時に、いくつかのデメリットを伴う点にも注意が必要です。
③ セラミック歯の治療の流れと費用相場

一般的なセラミック歯の治療は、次の流れで進行します。
1. カウンセリング
セラミック歯による治療は自費診療なので、使用できる機材・素材、診療時間などに厳密な制限がかかりません。
そのため患者様の要望を治療内容に細かく取り入れることが可能です。カウンセリングではどのような歯にしたいのかを遠慮せずに伝えることが大切です。
2. 検査・診断
セラミック治療する歯の検査を行い、診断を下します。その上で患者様にぴったり合ったセラミック歯を検討します。
3. 歯の形成
セラミック歯による治療では、どのようなケースでも少なからず歯を削らなければなりません。具体的には、セラミック製の詰め物・被せ物を装着するスペースを作るために、歯の切削を行います。
虫歯治療の後にセラミック歯を装着する場合は、改めて歯を大きく削る必要性は低いです。
4. 歯型取り・仮歯の装着
歯の形成が完了したら、歯型取りを行い、模型を製作します。その後、仮歯を製作・装着して、日常生活を送っていただきます。
5. 仮歯の調整
仮歯で過ごしていく中で、見た目や噛み心地などに不具合が見つかったら調整を加えます。
仮歯に問題がなければ、最終的な色・形を決めて、セラミック歯を製作します。
6. セラミック歯のセット
セラミック歯が完成したら、お口の中にセットし、かみ合わせの調整などを行います。
見た目や噛み心地に問題がなければ、専用の接着剤で完全に固定します。
7. セラミック歯の費用相場
ひと言でセラミック歯といっても、詰め物・被せ物といった装置の違いや材質の違いなどがあるため、費用相場も一概に語ることは難しいです。
その上でセラミック歯の全国的な費用相場について言及すると、詰め物が50,000~80,000円程度、被せ物が80,000~200,000円程度となっています。
④ 当院のセラミック治療の特徴|安心して選べる3つのポイント

東デンタルクリニックでは、審美性と機能性を両立したセラミック治療を通して、患者さまが自分の歯に自信を持てる毎日をサポートしています。
「銀歯を白くしたい」「以前の治療に納得できなかった」「失敗したくない」という声にお応えし、以下の3つの柱で治療を行っています。
1. 天然歯のような“見た目と噛み心地”を追求した技工物
当院で扱うe-max・オールセラミック・ジルコニアは、金属を使わず透明感や強度に優れた素材です。
技工所と密に連携を取り、色調や質感を患者さまの歯並び・肌の色味にまで合わせて調整。
さらに、歯と被せ物のフィット感も重視し、噛み合わせの安定性や違和感のなさにこだわっています。
「見た目を良くしたい」だけでなく、「噛める」「長く使える」という機能面にも自信があります。
2. 丁寧なカウンセリングと“素材選びの納得感”
セラミック素材にはそれぞれ費用・強度・見た目・適応部位が異なります。
当院では、カウンセリング時に素材ごとの特徴や適応の可否、リスクまでしっかりと説明。
「見た目を重視したいけど強度も気になる」「金属アレルギーが心配」「できれば削りたくない」など、
患者さま一人ひとりの優先順位に合わせた提案を行うことで、納得のいく選択ができる環境を整えています。
セラミック治療が初めてという方にも、「話を聞くだけ」でもお気軽にご相談いただけます。
3. 歯を守る“低侵襲(ていしんしゅう)治療”の姿勢
見た目を整えるだけでなく、「これ以上、自分の歯を悪くしたくない」という不安にも応えたい。
当院では、必要以上に歯を削らない低侵襲の治療を重視しています。
強度と見た目を両立しながら、できるだけ神経を残す治療計画をご提案。
また、歯ぎしり・食いしばりなどの破折リスクがある方には、ナイトガードのご案内や、ボツリヌス注射による咬筋へのアプローチなど、
長く快適に使えるためのフォロー体制もご用意しています。
⑤ よくある質問

セラミック治療は見た目が良い一方で、費用や耐久性、治療の手順などについて疑問を持たれる方が多くいらっしゃいます。
ここでは、特に多く寄せられる質問にお答えします。
Q1. セラミック歯はどのくらい持ちますか?
A. 素材やお口の環境にもよりますが、平均で7〜10年、丁寧なケア次第で10年以上持つことも珍しくありません。
特にジルコニアやe-maxなど高品質な素材は経年劣化に強く、変色しにくいため、長期的に安心して使えるのが特徴です。
当院では、治療後のメンテナンス方法もしっかりご案内しますので、長持ちさせたい方もご安心ください。
Q2. セラミック治療は痛みがありますか?
A. 治療時には局所麻酔を使用するため、処置中に痛みを感じることはほとんどありません。
また、削る範囲も必要最低限にとどめ、神経をなるべく残す治療方針を採用しています。
術後の違和感や痛みについても、多くの方が1〜2日で治まる程度です。
Q3. 前歯と奥歯では、素材の選び方は違いますか?
A. はい、審美性を重視する前歯には透明感のあるe-maxやオールセラミック、
噛む力が強くかかる奥歯には、強度に優れたジルコニアがおすすめです。
部位だけでなく、歯ぎしりの有無や噛み合わせの状態も素材選定の大事な基準になりますので、診察時にしっかり確認いたします。
Q4. 保険は使えますか?
A. セラミックは基本的に自費診療です。
保険診療では使える素材や形状に制限があるため、「銀歯を白くしたい」「見た目をきれいに整えたい」というご希望には対応できないケースがほとんどです。
当院では、保険診療と自費診療の違いを図表などで丁寧にご説明しておりますので、どちらにするか迷っている方もお気軽にご相談ください。
Q5. セラミック治療後のケアはどのようにすればよいですか?
A. セラミックはプラークがつきにくく変色しづらい素材ですが、定期的な検診とケアは欠かせません。
・年に2〜3回の定期検診(クリーニング含む)
・フロスや歯間ブラシを用いた丁寧なセルフケア
・必要に応じたナイトガードの装着など、患者さまの状態に合わせてケア方法をお伝えしています。
治療後も安心して長く使えるよう、継続的なサポート体制をご用意しています。
⑥ まとめ

今回は、セラミック歯の特徴やメリット・デメリット、治療の流れについて解説しました。
陶器であるセラミックは、天然歯の色調や光沢、透明感を忠実に再現できる素材で、保険のレジン歯とは見た目が大きく異なります。
寿命が長く、経年的な劣化が起こりにくいという点もセラミック歯の魅力ではありますが、保険が適用されない、強い衝撃が加わると割れやすいというデメリットがある点にも注意が必要です。