【医師監修】マウスピース矯正で出っ歯は治せる?治療期間や費用も解説
笑ったときに前歯が目立つ「出っ歯」に悩んでいる方は多いものです。
見た目だけでなく、かみ合わせや発音にも影響するため、放置せずに治療を検討することが大切です。
近年は、透明で目立たない「マウスピース矯正」で出っ歯を改善できるケースも増えています。
今回は、マウスピース矯正の特徴や出っ歯の原因、治療期間や費用の目安について、歯科医師の立場からわかりやすく解説します。
目次
マウスピース矯正の効果とメリット

はじめに、マウスピース矯正の特徴や効果、メリットを紹介します。
透明で目立たず、装着中も自然
マウスピース矯正は、透明なプラスチック製の装置を歯に装着して、少しずつ歯を動かす矯正治療です。
金属のワイヤーを使わないため、口を開けても目立ちにくく、周囲に気づかれずに矯正を進められます。
接客業や営業職など、人と話す機会が多い方にも選ばれています。
取り外しができて衛生的
マウスピースは自分で着脱できるため、食事や歯みがきの際に外せます。
食べ物が装置に詰まることもなく、口腔内を清潔に保ちやすい点が大きなメリットです。
虫歯や歯周病のリスクを抑えながら矯正できるのは、ワイヤー矯正にはない利点といえます。
痛みや違和感が少ない
マウスピース矯正は、段階的に歯を動かしていくため、一度に強い力がかかりません。
そのため、装着初期に感じる圧迫感はありますが、ワイヤー矯正に比べて痛みが少ない傾向があります。
違和感が少ないことで、日常生活への影響も最小限に抑えられます。
金属アレルギーの心配がない
マウスピースは医療用プラスチックで作られており、金属を一切使用しません。
そのため、金属アレルギーのある方でも安心して治療を受けられます。
また、金属特有の味や歯ぐきの変色が起こらない点も大きな利点です。
出っ歯の原因とその影響

出っ歯になる主な原因
出っ歯(上顎前突)は、上の前歯や上顎が前方に出ている状態を指します。
主な原因としては以下のようなものがあります。
- 骨格的な要因:上あごの成長が大きい、または下あごの成長が小さい
- 歯の位置の問題:歯が前方に傾いて生えている
- 生活習慣の影響:指しゃぶりや口呼吸、舌を前に押し出す癖(舌癖)など
これらの要因が複合的に関係し、見た目だけでなく機能面にも影響を及ぼします。
出っ歯による見た目や健康への影響
見た目の印象として「口元が出ている」「笑うと歯が強調される」といった悩みにつながるほか、以下のような機能的問題も起こり得ます。
- かみ合わせが悪く、前歯で食べ物を噛み切りにくい
- 唇が閉じにくく、口の中が乾きやすい
- 発音が不明瞭になる(特に「さ行」「た行」など)
- 口呼吸が続くことで、虫歯や歯周病のリスクが上がる
このように、出っ歯は単なる見た目の問題ではなく、口腔機能や健康にも関係する症状なのです。
マウスピース矯正で出っ歯は治せるのか

出っ歯には、マウスピース矯正で治せるケースとそうでないケースがあります。
マウスピース矯正で治せる出っ歯とは?
マウスピース矯正は、歯の傾きによる軽度〜中等度の出っ歯に効果的です。
たとえば「上の前歯だけが少し前に出ている」「すきっ歯を伴う出っ歯」などのケースでは、マウスピース矯正で十分な改善が期待できます。
一方で、骨格的な出っ歯(上あご全体が前に出ている場合)では、ワイヤー矯正や外科的矯正が必要になる場合があります。
どの方法が適しているかは、歯科医院での精密検査と診断によって判断されます。
治療期間の目安
マウスピース矯正による出っ歯の治療期間は、症例によって異なりますが、軽度なケースで6か月〜1年程度、中等度で1年半〜2年程度が目安です。
ワイヤー矯正と比べても大きな差はなく、定期的なマウスピースの交換と装着時間の管理が結果を左右します。
なお、1日20〜22時間の装着が必要なため、装着時間を守らないと治療期間が延びてしまう点には注意が必要です。
費用の目安
マウスピース矯正は自費診療となり、費用は使用する装置の種類や治療範囲によって変わります。
- 部分矯正(前歯のみ):30万〜60万円程度
- 全顎矯正:80万〜100万円程度
精密検査や保定装置の費用が別途かかる場合もあるため、事前にしっかり確認しておきましょう。
医療費控除の対象となる場合もあります。
出っ歯治療を成功させるポイント
出っ歯の矯正を成功させるには、装着時間を守ることと定期的なチェックを欠かさないことが重要です。
自己管理が難しい方は、ワイヤー矯正を検討するケースもあります。
また、マウスピース矯正は歯を動かす力がやや弱いため、アタッチメント(歯に小さく付ける突起)を使用して歯のコントロールを行うことがあります。
当院における出っ歯のマウスピース矯正の特徴

当院では、単にマウスピースを導入するだけでなく、長年の経験と最新の設備を融合させ、患者様一人ひとりに最適な治療計画をご提案しています。
精度の高い診断に基づく安心の矯正治療
マウスピース矯正の成功は、治療前の精密な診断にかかっています。
歯科用CT・セファログラムの活用: 当院導入のモリタ製「VeraviewX800」は、歯や顎の骨の状態を立体的に捉えるCT機能と、矯正治療に必須のセファログラム(頭部レントゲン)機能を兼ね備えています。
これにより、出っ歯の原因が歯の傾きか骨格にあるのかを正確に分析し、マウスピース矯正の適否、および正確な歯の移動計画を立案します。
口腔外科専門性による多角的なアプローチ: 大阪大学歯学部出身の院長は、口腔外科領域の知見も有しています。これにより、顎関節の状態や全身の健康状態を含めた多角的な診断が可能となり、無理のない、安全性の高い矯正治療をご提供します。
目立たない矯正で実現する「笑顔のトータルプロデュース」
当院では、歯並びの改善に加えて、患者様の口元全体の美しさも追求します。
矯正後の自信をサポート: 目立ちにくいマウスピース矯正は、治療期間中も笑顔に自信を持って過ごせる大きなメリットがあります。
当院は、患者様が矯正治療を通じて理想とする口元と笑顔を手に入れるためのサポートを重視しています。
口元と表情筋へのアプローチ: 矯正治療と並行して、口元の美しさを追求する審美治療もご用意しています。出っ歯の改善と合わせて、ヒアルロン酸やボツリヌス製剤を用いたほうれい線などのシワの改善や、ガミースマイルの治療にも対応可能です。
これにより、歯並びだけでなく、笑顔全体の印象をトータルでプロデュースいたします。
(※これらの製剤治療は自費診療となります。)
治療期間を短縮するための徹底したサポート体制
マウスピース矯正の治療期間は、患者様の「装着時間」が鍵を握ります。
丁寧なカウンセリングと指導: 治療開始前に、1日の装着時間(20~22時間)の重要性や、マウスピースの着脱方法、清掃方法を丁寧に指導します。
患者様のライフスタイルに合わせたアドバイスを行うことで、自己管理のサポートを徹底し、治療期間の延長を防ぎます。
長持ちさせるための保定指導: 歯が元の位置に戻ろうとする「後戻り」を防ぐため、矯正完了後の保定期間(リテーナーの装着)の重要性も徹底してご説明します。
美しい歯並びを長期にわたって維持するためのサポートも万全です。
よくある質問

Q1. マウスピース矯正で「抜歯」が必要になることはありますか?
A. あります。
マウスピース矯正は基本的に歯を並べるスペースが必要ですが、出っ歯が重度で歯を大きく後方に移動させる必要がある場合や、口元を大きく引っ込めたい場合は、スペース確保のために抜歯(主に小臼歯)が必要になることがあります。
ただし、マウスピース矯正ではワイヤー矯正に比べて抜歯後の歯の移動に制限が出ることもあるため、抜歯が必要な重度なケースでは、ワイヤー矯正の方が適していると判断される場合もあります。
当院では精密検査に基づき、抜歯の必要性、メリット・デメリットを丁寧に説明し、最適な方法をご提案します。
Q2. 治療期間中に「虫歯」や「歯周病」になった場合、どうなりますか?
A. マウスピース矯正は取り外しが可能なため、ワイヤー矯正と比べて虫歯や歯周病のリスクは低いですが、発症する可能性はゼロではありません。
治療の継続: 軽度な虫歯や歯周病であれば、マウスピース矯正を中断せず、同時並行で治療を進められるケースがほとんどです。
重度の場合: 進行した虫歯治療や、大規模な歯周病治療が必要になった場合、マウスピースの形状が合わなくなるため、一時的に矯正を中断し、治療後にマウスピースを再製作する必要があります。
当院では、矯正期間中も定期的な予防クリーニングと検診を行い、虫歯・歯周病の早期発見・早期治療を徹底することで、矯正治療がスムーズに進むようサポートします。
Q3. マウスピース矯正は「医療費控除」の対象になりますか?
A. はい、対象となる可能性が高いです。
歯列矯正は「美容目的」と見なされるケースもありますが、出っ歯(上顎前突)の矯正が「咀嚼(噛む機能)の改善」や「発音障害の改善」など、機能回復を目的としていると歯科医師が診断した場合、医療費控除の対象となります。
控除を受けるには、領収書と診断書の提出が必要となる場合がありますので、詳細についてはお気軽に当院スタッフにご相談ください。
Q4. マウスピースの装着をサボってしまったら、治療はどうなりますか?
A. マウスピースは1日20~22時間の装着が必須であり、装着時間を守れないと歯が計画通りに動かず、治療計画から大幅に遅れてしまいます。
計画の遅延: 装着時間が不足すると、交換予定の次のマウスピースが現在の歯並びに合わなくなり、結果的に治療期間が延びてしまいます。
再製作: 最悪の場合、計画が完全に狂ってしまい、歯を動かし直すために追加で費用をかけてマウスピースを再製作する必要が生じることがあります。
当院では、治療開始前にこの点を詳しくご説明し、モチベーションを維持するためのサポートも行いますが、患者様ご自身の自己管理が最も重要となります。
まとめ

マウスピース矯正は、軽度から中等度の出っ歯に効果的な治療法です。
透明で目立たず、取り外しもできるため、ライフスタイルに合わせやすい点が魅力です。
ただし、骨格的な出っ歯の場合は、他の矯正法が適することもあります。
まずは歯科医院で口腔内の状態を詳しく検査し、自分に合った治療法を選ぶことが大切です。