舌が痛い!舌の痛みは舌痛症?舌が痛い時は何科を受診したらいい?
「舌がヒリヒリする」
「ピリピリとした違和感が続いている」
「食べ物がしみる」
「口内炎かと思ったが治らない」
——そんな舌の痛みに、心当たりはありませんか?
それはもしかしたら「舌痛症(ぜっつうしょう)」という病気かもしれません。
舌の痛みには、ちょっとした刺激による一時的なものから、疾患が隠れているケースまでさまざまな原因が考えられます。多くの方が「病院に行くべきかどうか判断がつかない」と悩まれますが、自己判断で放置すると重症化するリスクもあるため注意が必要です。
本記事では、舌が痛くなる原因の種類や対処法、受診の目安についてわかりやすく解説します。
「何科を受診したらよいのか分からない」「様子を見てもよい症状なのか不安」という方にとって、少しでも判断材料になれば幸いです。
目次
- 舌が痛くなる原因とは?考えられる主な要因と病気
- 放っておいて大丈夫?受診の目安と診療科の選び方
- 舌の痛みへの治療法と再発を防ぐ予防法
- 当院の舌の痛みに対する治療の特徴
- 舌の痛みに関するよくある質問
- まとめ
① 舌が痛くなる原因とは?考えられる主な要因と病気

舌に痛みがある場合は、以下に挙げる病気が原因として考えられます。
- 口腔カンジダ症
- 帯状疱疹(たいじょうほうしん)
- 口内炎
- 被せ物や入れ歯による機械的な刺激
- ドライマウス
- 全身の病気に伴う副作用(鉄欠乏性貧血、亜鉛欠乏症など)
- 舌がん
- 舌痛症
このように、舌が痛いと感じる原因としては、さまざまな感染症やデキモノ、全身疾患が挙げられますが、今回は現代の日本人によく見られる舌痛症に焦点を当てて深く掘り下げていきます。
舌痛症とは?
舌痛症とは、舌の表面がヒリヒリする、熱くなる(灼熱感)などの症状が1日のどこかで1~2時間程度続き、それが3か月を経過してもなくならない病気です。舌が痛いという症状は比較的強く現れますが、食事や会話に支障をきたすということはほとんどありません。また、舌痛症では、明確な原因がわからないため、戸惑う患者様が多くなっています。つまり、上段で列挙した病気がひとつも当てはまらない場合は、舌痛症が疑われるのです。
② 放っておいて大丈夫?受診の目安と診療科の選び方

舌痛症は、放っておいても大丈夫なケースとそうではないケースがあります。
舌が痛いという症状が比較的弱く、日常生活を送る上で支障をきたさない場合はまず経過を見ていきましょう。舌痛症の症状を促進するような要因がある場合は、積極的に取り除く必要があります。
具体的には、口腔衛生不良、適合の悪い被せ物や入れ歯、口腔乾燥などです。この中で当てはまるものがある場合は、まず歯科を受診してください。
舌痛症は、明確な原因がわからない病気ではありますが、ほとんどのケースでお口の中に何らかの誘因があります。
その一方で、精神的な問題から舌痛症の症状が強くなることもあるため、ケースによっては精神科や心療内科などの連携が必要となる場合もあります。
いずれにしても「舌が痛い」という症状に悩まされている場合は、はじめに歯科や口腔外科を受診するのが望ましいです。
舌が痛い原因が舌痛症ではなく、咽頭や喉頭に由来する病気である場合は、受診する診療科の選択肢として耳鼻咽喉科も挙げられます。
舌の痛みで悩んだら歯科を受診
舌痛症で医療機関を受診するタイミングに明確な目安はありません。というのも舌痛症は、歯周病や虫歯のようにわかりやすい形で症状が悪化していく病気ではないからです。
舌痛症にかかってから1年経過しても、発症当時と同じ症状が続いていることもありますし、自然に改善していくこともあるでしょう。
そんな中で「舌が痛い」という症状に悩まされ、何とかしたいと感じたら、迷わず歯科を受診しましょう。まずは舌が痛いと感じる原因を診断してもらうことが大切です。
③ 舌の痛みへの治療法と再発を防ぐ予防法

歯科医院を受診して、舌痛症と診断された場合は、対症療法を行っていくことになります。繰り返しになりますが、舌痛症には明確な原因がないことから、誘因となる要素を一つひとつ取り除いていく必要があります。具体的には、以下の方法で舌の痛みの改善を試みます。
1. 歯垢や歯石を除去する
歯垢や歯石がたまっている状態は、口腔衛生不良です。口内細菌や真菌の活動が高まり、口腔粘膜にさまざまな悪影響を及ぼすため、クリーニングやスケーリング(歯石除去)で取り除く必要があります。
2. 適合の悪い装置を調整する
かみ合わせの悪い詰め物・被せ物、変形した入れ歯などを装着している場合は、それらを調整する必要があります。場合によっては装置を作り直さなければならないかもしれませんが、不良修復物や不良補綴物は舌のみならず、お口全体の健康にも深刻な悪影響をもたらすため、適切な処置を受けることが望ましいです。
3. 投薬や認知行動療法
精神科や心療内科を受診した場合は、抗うつ薬や認知行動療法で舌痛症の治療を行うこともあります。
4. 舌痛症の再発を防ぐ方法
一連の治療によって舌痛症の症状が改善されても、歯科への定期的な通院は継続するようにしてください。歯科検診では、歯や歯ぐきの検査に加えて、舌痛症の経過も診てもらえます。また、精神的な要因が関連している舌痛症では、日頃からストレスをためこまない、十分な睡眠時間を確保するなどの取り組みも再発予防に寄与します。
④ 当院の舌の痛みに対する治療の特徴

当院では、舌の痛みに関する幅広い症状に対応しています。
「親知らずが舌に当たって痛む」「口内炎のようなものが長引く」「舌がピリピリして食事がつらい」など、些細な不調でもお気軽にご相談ください。
1. 的確な原因の特定と診断
「舌痛症」や「口腔カンジダ症」「再発性アフタ」「口腔扁平苔癬」「白板症」など、目に見えない痛みや粘膜異常の診断には経験が必要です。
東デンタルクリニックでは、患者さまのお話を丁寧に伺いながら、必要に応じて専門的な検査を実施し、原因を慎重に見極めます。
2. 親知らずや噛み合わせの見直しも視野に
意外にも、斜めに生えた親知らずや合っていない詰め物・被せ物などが、舌を刺激し続けて痛みを引き起こしていることもあります。
当院では、歯や顎の構造面からのアプローチも重要視しています。
3. 必要に応じた医療機関との連携
舌の痛みの原因が全身の病気や免疫異常に起因している場合は、内科や耳鼻咽喉科と連携した対応も可能です。
単に痛みを和らげるだけでなく、原因の根本治療にこだわるのが当院の方針です。
⑤ 舌の痛みに関するよくある質問

Q:口内炎と舌がんはどう見分ければよいですか?
A:見た目が似ていることも多く、素人判断では難しいのが実情です。
口内炎は1〜2週間ほどで自然に治ることが一般的ですが、2週間以上続く場合や、しこり・出血・硬さを感じる場合は注意が必要です。特に「白くただれた部分が治らない」「片側だけに違和感がある」場合は、専門医の診察を受けましょう。
Q:どのくらいの期間、様子を見ても大丈夫ですか?
A:基本的には1週間〜10日程度がひとつの目安です。
その期間を過ぎても改善しない場合や、悪化していく場合は、必ず受診をお勧めします。
「口内炎だと思っていたら実は粘膜疾患だった」というケースもあるため、早期診断が重要です。
Q:受診したらどんな検査や診察をされるのですか?
A:まずは問診と視診を中心に、粘膜の状態や舌の動き、見た目などを詳しく確認します。必要に応じて、X線や血液検査、組織検査(生検)を行う場合もあります。
痛みの原因が親知らずなどの物理的刺激にあるか、粘膜の異常か、全身疾患によるものかを判断するため、多角的に診察を進めます。
Q:治療にはどれくらいの費用がかかりますか?
A:症状や治療内容によって異なりますが、保険診療の範囲内で対応可能なケースがほとんどです。
例:
・診察料・検査料:初診3,000〜5,000円程度(保険適用3割負担)
・スプリント療法:3,000〜5,000円程度(数回通院が必要)
・特殊な検査や治療が必要な場合は、事前に丁寧にご説明いたします。
⑥ まとめ

今回は、舌が痛いと感じた場合に疑われる舌痛症について解説しました。
舌痛症は、明確な原因がわからない舌の病気で、舌がピリピリ痛い、焼けるように痛いなどの症状が1日1~2時間くらい現れ、それが3か月以上継続します。
そんな舌痛症が疑われたら、まずは口腔組織の専門家である歯科医師に相談しましょう。
歯科医院なら舌痛症の原因を見つけ出し、それぞれのケースに応じた治療を行ってくれます。
精神面の不調が関係している場合は、精神科との連携が必要となるかもしれません。